高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-049/82page

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とば通りの運営ができるようにする必要があることを調査結果は物語っていたはずである。

(4) 教科目標とその内容

1) 必修科目―基礎国語

・ 目標

基礎能力としての「言語要素を正しく使いこなす能力」を確実に身につけさせる。

・ 内容

調査で言語要素的なものとしてとりあげられた漢字の正しい読み書き,かなづかい,送りがなを正しく使う,句読点を適切に使える,文法を機能的に活用するなど,日本語を正しく読み書きするために必要な内容とする。

2) 選択科目

・ 目標

基本的能力としての「具体的な言語行動を可能にしている技能や態度」をさまざまな言語活動を通して養う。

・ 内容

内容は,各高等学校の生徒の実態によって,適宜選択できるように多種多様なものとする。

総合国語

調査で読む,書くの分野としてとり出された,文章を読むための語句,指示語,段落,表現,文体のとらえ方,文章を書くための語句の照応,文の成分の順序,事実・意見の整理,段落ごとの整理,まとめ方などについて実際にさまざまな文章を読んだり書いたりする過程で身につけさせる内容とする。

実践国語

調査で聞く,話すの分野としてとり出された,敬語を使いこなすこと,場面・目的に応じて話すこと,正確に,理解し,判断して聞くことなどについて実際の体験,実習を通して身につけていく内容とする。(読書体験なども含めたい。)

分化国語

総合国語,実践国語が,科目として一つのまとまりある内容をもっているのに対し,これはさまざまな内容をもっところに特色がある。

古典の名作といわれる作品,近代以後の文学作品,翻訳作品,漢詩文,文学以外の作品,国語の歴史,文学の歴史,作文,作詩,俳句,短歌など,多彩な内容とする。

大部分は,総合国語のうえにつみかさねられる高度で深い専門的な内容となろうが,逆に,実用国語的なものも用意してモデル1型の分化国語にいかせるようにしたい。

4 能力評定尺度の設定について

選択の幅や時間の伸縮の幅を設けても,各学校がそれを活用せず,生徒の進路だけによって教育課程が編成されたのでは何にもならない。そこで,今回使用したような総合力を見るような診断テストを準備し,3年間隔とか5年間隔(どの位の周期がよいかは統計的には握できると思う)とかの時期に一斉に実施することを提案したいのである。

何年かに一ぺん,入学してくる生徒について診断テストを実施し,その結果によって編成の方向をきめていくのである。テスト結果からある方向をきめる尺度をどうするかということが問題になろう。

この尺度を考えるにあたっては,

1 診断テストの内容をどうするか

2 いくつの段階に分けられるか

3 どういう教科科目をどんな組み合わせで用意すればよいか

ということが検討されなければならないが,これまで述べてきたことの中には,これにこたえうるものがあったはずである。

すなわち,2については,六つの段階を調査か


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