高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-050/82page
ら推定できたし,3については,六つの基本的モデルをつくることができた。
この2と3を組みあわせることによって,段階と科目編成モデルとの関係があきらかになり,それが一応の目安,尺度となるであろう。組み合わせにあたっては,調査によってとりだされた,言語要素,読む,書く,聞く,話すの各領域ごとの項目数が各高校によってどうちがうかということ(図31)を参考にした。
(図33)
能力評定尺度(試案) 段階 テスト結果平均 教科科目
構成モデル記号 調査校との関係 A Aに達しない高校 0〜49 1型 B Aのような高校 50〜54 2型 C B2のような高校 55〜59 3型 D B1のような高校 60〜64 4型 E B1,C2間の高校 65〜69 5型 F C2,C1のような高校 70〜100 6型
診断テストの結果の平均をこの尺度にてらし合わせ,その学校の国語の科目編成を決定するわけである。
各型のaかbかcかという細かい点は診断テストの領域別の結果によってきめていけばよい。A段階で言語要素の領域が低ければ,基礎国語を最大限5単位とれる1型aを採用すればよいわけである。
従って,診断テストの内容は,言語要素,読む,書くの3領域を含むものであることが必要である。今回使用したテスト内容程度はなければならない。
たとえば,今回の学力テストの領域別の平均を比較するとつぎの通りである。
こうしてみると,それぞれの学校で,どの領域に重点をおいた科目編成をしなければならないかがわかる。
「きく・はなす」の診断テストは作成がむずかしいが,できる限りこれを加えた領域にまたがる診断テストがのぞましい。
さらに,診断テストは,各領域の能力の度合の測定とともに,どういう点をどのように指導すればいいのかという,いわば学習のさせ方まで探り出せることが理想であろう。
5 まとめ
小・中・高一貫の教育を,より現実的なものとするために,生徒の未来の到達点にむかって,国語科教育をセットするのでなく,生徒の歩んできた道と,いまたっている位置をとらえることから国語科教育の内容を考えなければならない。このような発想か