高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-053/82page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

外国語(英語)における履修のあり方について

1 外国語教育の目標

2 本県における高等学校(全日制普通科)の英語教育の現状

(1) 履修の状況

(2) 生徒の実態

3 英語教育の改善

(1) 基礎学力の充実

(2) 言語活動の育成

(3) 科目の構成・内容

(4) 「英語1」の内容

(5) 履修の方法

1) 選択制

2) 単位の認定

(6) 指導方法の改善

1) Listening comprehension

2) 自己表現

3) 学習意欲

4) 協同研究

5) 研修

(7) 評価

4 改善試案

1 外国語教育の目標

外国語を学習する目的は,学習指導要領に示された抽象的な理念の他に,現実的な目的があり,学習者の能力・適性・進路によって必ずしも同じではない。しかしながら,普通教育をほどこす高等学校の教育活動として,英語学習を考えるとき,学習老である生徒と,指導する教師の双方に,外国語学習に対する共通の目的意識がなければ,効果的な学習は望めない。

外国語学習には,いわゆる4技能,「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」に習熟することを基礎として,直接に意志の疎通を図る機能的実用的な目的とともに,外国語を通して外国の文化さらに政治経済について認識を深めることによって国際的視野を広め,世界平和に貢献するという教養的,文化的な目的がある。

いずれにしても,4技能の学習は人間が意味のあることばを伝えあう意志伝達,すなわちコミュニケーションの訓練であることを十分に認識して行われなければ,実用的な目的も,教養的な目的も達成されないであろう。

「役に立つ英語」の重要性が強調されるけれども学習した英語が実用として役に立つか,あるいは教養として役に立つかは,生徒の将来に関する問題であり,また,「役に立つ」の意味を,実用的な効用のみで判断するのは,学校における普通教育の趣旨からみても妥当ではない。生徒たちに,学校卒業後においても,必要に応じて利用できる基礎的な技能をマスターさせるのが,外国語教育の望ましい姿である。実用的目的も,教養的目的も,基礎となる4技能をバランスよく学習することが基本であり,外国語(英語)教育に対するさまざまな批判が生ずるのもこの4技能の指導が極端に片寄った形で実施されていることに原因がある。

わが国の外国語(英語)教育は効率が悪く,成果がまったく上っていない理由として,「受験英語の弊害」「学習意欲の欠除」「非能率的な教授法」などがあげられているが,これらの理由は,多くの場合,教師と生徒の間に英語学習の意義について共通の認識がないために生じているようである。

学校教育を通して,将来において起るであろう多


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。