高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-057/82page

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の重要な手段であること,すなわち,a means of communication であることを意識としてとらえるだけでなく,授業の実践を通して組織的計画的に生徒に体験させなければならない。

言語活動は,口頭による問答練習を通して育成されるとはかぎらない。文字を通しての読み書きの訓練によっても,高度の言語活動の充実は可能である。

重要なことは,高等学校の英語教育は中学校英語の定着を図ることがその根底となるのであるから,正しい口頭練習による言語活動の開発をおこたらず,4技能の基礎が十分に身につくよう指導することである。

この時期にlop-sidedな指導をすることによって,多くの生徒から学習意欲を奪い去ることのないように留意しなければならない。

(3) 科目の構成・内容

1) 科目の構成

言語活動の分野は,音声と文字,あるいは情報の伝達と受容,さらには文学と言語学などに分けられるが,高等学校の基礎学習としてはこれらの分野ごとに科目を設けるのは望ましいことではない。これらの分野の研究は,すべて「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能に習熟することが前提条件となり,さらにこれらの技能は相互補完をなすものであって,分離して学習するのは好ましいことではない。講読,文法,作文,会話等の科目を設けるのは学力の低い生徒にとっては重荷になるだけであろう。

総合的な内容の程度に応じて,「英語1」「英語2」,「英語3」とし,他に「英語会話1」「英語会話2」を設ける。

「英語1」は他の科目に先んじて履修させ,「英語1」を修得しなければ「英語2」の履修を認めず,さらに「英語2」を修得した後で「英語3」を履修させる。

「英語会話1,2」は「英語1」修得後に「英語2」「英語3」と選択で併修させる。

科目と標準単位数は次の通りとする。

科目 標準単位数
英語1 5
英語2 5
英語3 5
英語会話1 2
英語会話1 2

2) 各科目の内容

「英語1」は,中学校英語の内容に現行高校英語Aの内容から**印及び*印のついた部分を削除したもの,すなわち,9単位分のうち3単位分を加えた内容とする。

指導の重点は,連用能力を高めることにおき特に日常生活に関することを述べるのに用いられる平易な文型を利用して自己表現をする訓練の充実に留意し,英語を使用することが読書力や作文力を高めるのに効果的であることを認識させる。

「英語2」は,英語Aに英語Bの2年程度の言語材料を加えたものとし,抽象的な内容を4技能の訓練にとり入れ,さらに文法学習を通して論理的な思考力を養い,「英語3」へと進むための準備とする。

「英語3」は,英語Bの2,3年程度の内容に大学教養課程程度の内容も含め,高等教育を受けるのに充分なだけの英語の学力を修得できるものとする。

「英語会話」は,英語の他の分野の能力が同時に開発されなければ,それだけでは学校における教育活動の一環として取りあげる価値がないと思われるので,「英語1」での基本文型による自己表現の練習の後に履修させ,「英語2」および「英語3」との併修によって会話の内容も学力や知的水準に見合ったものにする。

「英語2」「英語3」の内容は,「英語1」


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