高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-058/82page

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の完全修得をたてまえとして指導されることになるので,科目修得の認定にはきびしい基準が必要である。

(4)「英語1」の内容

高校英語の基礎となる「英語1」は,すでに述べたように中学校英語の内容に,現行英語Aの1年程度の内容を加えたものとするが,この趣旨は高等学校に入学するすべての生徒が必ずしも中学校英語を十分に修得しているとはかぎらないので高校入学後に「英語2・3」と学習を積み重ねるのに必要な基礎学力を充実することにある。

中学校英語をマスターしたと判定される生徒たちも,正しい意味での言語活動が十分に行われないために,知識としての英語にとどまり,実際の使用につながる英語,すなわち連用能力の面では未熟な場合が多い。

しかし,高校に入学し,英語を選択したすべての生徒に「英語1」を年間を通して週5時間30週にわたって履修させることが妥当であるかどうかは問題である。すでに中学校英語をマスターした,すぐれた高い学力を有する生徒に,1年間「英語1」を履修させるのは,有能な人材を開発するという教育のもつ他の面からみて望ましいことではない。この点において,「英語1」の履修のあり方については慎重な配慮が必要である。

中学校の3カ年の英語教育が生みだす学力差を高校においてはそれぞれの学力の段階に応じて指導し,目標に達するまでの時間はちがっても,すべての生徒が「英語1」を修得できるように努力し,能力・適性一進路に応じて,将来の学習に対する興味関心を失わせないようにしなければならない。

中学校においても,生徒の能力差や学力差を考慮して指導が行われているけれども,英語ははじめて学習する教科であり,週3時間の標準時数による3カ年の指導に多くを期待することは,少なくとも本県の場合不可能である。

すべての生徒力硝化できる基本的な学習内容を準備するとともに,能力に応じて高度な内容を修得できるような教育課程の編成か高等学校には望まれるのである。この観点から,「英語1」の内容は,英語を履修するすべての生徒に必要な基礎学力を養うための基本として,中学校学習指導要領外国語(英語)および高等学校学習指導要領英語Aおよび英語会話の内容から,次の言語材料を含むものとする。

※ ア 音声

(ア) 現代のイギリスまたはアメリカの標準的な発音

(イ) 文の抑揚のうち,下降調および上昇調

(ウ) 文における基本的なくぎり

(エ) 国文における基本的な強勢

(オ) 語のアクヒントのうち第1次的なアクセント

イ 文体

(ア) 聞くこと,話すこと,読むことおよび書くことにおいて口語体

ウ 文

※ (ア) 単文,重文および複文

   (イ) 平叙文のうち肯定文および否定文

※ (ウ) 疑問文のうち動詞で始まるもの,助動詞で始まるもの,orを含むもの,疑問詞ではじまるものおよび ◆付加疑問文

疑問文のうち否定疑問文

(エ) 命令文のうちBeで始まるもの,Be以外の動詞で始まるものおよびDon'tではじまるもの

※ (オ) 感嘆文のうちHowおよびWhatで始まり動詞の現在形で終るものおよび文の後半が省略されるもの

感嘆文のうち動詞の過去形で終るもの

エ 文型

※ (ア) 主語+動詞の文型

   (イ) 主語+動詞+補語の文型


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