高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-070/82page
図1 高卒者の進学状況
このように高校教育をキャリア,ガイダンスの場として考えてみれば,今一段の生徒指導・教育相談進路指導の総合的・計画的・継続的実施が必要となる。
(3) 冷たい高等学校から温かい高校への脱皮
近年,三無主義,四無主義という言葉が高等学校生活の中にもち込まれ,完全に定着してしまった感がある。かれらの無関心,無責任,無気力,無感動なる風潮は,何によって醸し出された風潮なのだろうか。生徒の質の低下か,教師の教育観の変化によるものか,学制や教育課程などが大きく関与しているのか,あるいは,社会一般の風潮が強く影響を与えているのか,ここではこと細かにこの因果関係を分析解明することは避けるとしても,半数近くの高等学校生徒達が,自ら学ぶ学校に魅力を感ぜず,さしたる希望もなく日々を送っている事実を認めざるを得ないものがある。
以下そのような事実を裏付けする声を,県下各高等学校の学校新聞から抜き出してみた。
図2
問1 学業に不満がありますか。
<生徒の声>
・ 受け身はいやだ(授業中生徒に考えさせるような時間を多くしてほしい)
・ 教師一人で進んでしまう(教師と生徒との双方のかみあいを強く望む)
・ 生徒の意見が無視されてしまう
・ 生徒の理解度が無視されている
・ むずかしすぎる
・ あまりにも単調すぎる(暗記に重点がおかれる同じことが何度もくり返される)
・ 進度ばかりを気にして教え方が不親切
・ とばしすぎてノートをとる余裕がない
・ テストが近づくと進度が速くなる
・ マンネリ化している
・ 計画性が乏しい
図3
問2 生徒の授業態度に不満がありますか。