高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-071/82page

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<教師の声>

・ 授業に入る前に教科書を読んでいない

・ 予習・復習の習慣がついていない

・ 質問がほとんどない

・ 理解できないことをうやむやにしてしまっている

・ むずかしくても喰いついてくる意欲がない

・ 授業とは,教師と生徒の共同作業であるということを態度に示さない

・ 内職をしている生徒が多い

図4

問3 担任として(クラス担任・教科担任)生徒を理解していると思いますか。

教師の担任としての理解
<教師の声>

・ 理解しているつもりだがわからない面もある。理解しようと努力している。

・ 講座数が多いので,個々の生徒全部はとても理解できない

・ 半分かな? 100%理解はできない。

・ は握まではいかない

図5

問4 三無主義の無気力・無感動という面が授業中・クラブ等でみられますか。

三無主義の無気力・無感動という面が授業中・クラブ等でみられるか

以上の図表や意見から,次のような点が問題として提起されよう。

1) 教師と生徒双方の歯車がうまくかみあう授業を,両者が共に求めながら創り出せないものがある。それは一体何なのか。

2) 生徒は授業,クラブをおしつけととらえ,教師は予習・復習が不足している,質問が無い,意欲が無いという。なぜそうなのか,授業内容に興味や関心をもたせるにはどんな工夫がなされるべきか,楽しい授業は,楽しいクラブはどうしたらできるのか……教師も生徒も共に真剣それを考えていかなければ,温かい,実りある高校生活はつくれないだろう。真の高校教育,教師と生徒の人格のふれあいがつくり出す教育を創造するには,現在の教科偏重の教育を,対話教育=ガイダンス中心教育に改めなければ達成できないことを銘記し,一大英断を下すべきであろう。その改善改良があってこそ,生徒たちは高校は温かく楽しい場であり,しかも学習し人格の練り上げの場としてとらえてくれるようになるだろう。

2 ガイダンスの位置づけ

(1) ガイダンスと教科活動・教科外活動

前項において,教師と生徒の教科学習に関する意識のズレの一端をのべ,その改善のためには絶対にガイダンスが必要であると論述してきた。しかし,一体学校におけるガイダンスとはどのような概念なのか,教科活動との関係はどうなのか,教科外活動との関係はどうなのか,以下私見をのべてみる。

図6は,学校におけるガイダンスのあり方を図式化したものである。斜線部分,すなわち生徒指導,教育相談,進路指導という三つの機能概念を有機的に関連させながら,生徒が自主的に自己実現が可能となるよう援助する機能としてガイダンスはとらえられる。

したがって,教科活動とか,教科外活動とかと同じ領域概念ではなく,それらの二つの領域概念を側


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