高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-074/82page

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6) 養護教諭とガイダンス

・ 身体衛生の面から,精神衛生の面の指導に重点を移して,生徒のキャリア・ガイダンスに関与していかなければならない。

・ 評価がともなわない教師として,生徒から気軽に話し合える,母のような人とみられている養護教師が,学校ガイダンスではたす役割は今後ますます重要なものとなっていくだろう。したがって養護教諭の役割は単に保健部とか厚生部に所属しているだけでなく,教務部,生徒指導部などとも関連づけて分掌化されなければならない。

(2) 能力・適性に応ずるガイダンスはどのようにあるべきか。

いかに教科課程を改善し,生徒の能力適性にマッチできるように計画しても,適切なガイダンス指導が加えられなければ,生きた教科課程とはならず,生徒たちに充実した高校教育を授け,健全なる人格の涵養を図ることはむずかしい。

以下,能力・適性に応ずるガイダンスのありかたを述べてみるので参考にしてほしい。

まず,従来の方法にくわえて

1) 生徒個人個人が必ず各学年開始時に「教科選択」「コース選択」のためのガイダンスを受けることを義務づける。なお,この相談にあたる担当者は原則として学習指導部や教務部の部長と各教科の教科主任とし,これらの教師と十分な話し合いがなされたうえでホームルーム担任と再相談がもたれ,自己の履習単位が決定されるようにシステム化することが重要である。この際の時間配当については,ガイダンスの時期・時間の項を参照されたい。

2) 学年開始時のガイダンスに引き続き,常時適切な指導が加えられることは当然必要であるが,さらにこれに加えて学年末に各学年の教科履習が生徒個人の能カー適性に真に適合したかどうか,さらには次年度の履習や進路はどうあるべきかのガイダンスも制度化されなければならない。

上記1) 2)の完全実施がなされなければ,現行の弊害を一掃することはむずかしいといえよう。なお,この項のガイダンスは,主として学習ガイダンスについて考察したが,クラブ活動についてのガイダンス,進路についてのガイダンス,教育相談的ガイダンス等についても十分な配慮がはらわれなければならない。それらの関係を図式を以下簡単に図示してみよう。

図7

・教科履習ガイダンス

教科履習ガイダンス

・教科外活動ガイダンス

教科外活動ガイダンス

・進路指導,教育相談ガイダンス

進路指導,教育相談ガイダンス

4 ガイダンス実施の時期・時間

(1) 常時・継続的におこなうガイダンスと集中的におこなうガイダンス

高等学校において実施されるガイダンスは,いつでも,どこでも,だれでも(全教師)が行なうべきものであるとすれば,教科指導の時間,教科外指導の時間,家庭訪問の時間等のあらゆる機会に行なわれるべきものである。したがって,全教師が教育とは教えることのみではなく"育てる"面が半分を占めていることを再確認し,完全な共通理解に基づいて,常時全生徒を対象に実施されなければならない。しかし,逆説的にいえば.高校においては知的な面の育成も半分の比率をもつわけであり,毎日の学習


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