高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-081/82page

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学力の実態についての診断を実施し,それに応じて,学習の第一段階と第二段階の調整をはかることが必要であろう。

ただし,そのためには,特に,第一段階での学者を,基礎学力の補充,強化の段階ととらえるとともに,学習のし方の学者の前段階としてとらえることが必要である。

3) 教育内容の固定化の改善

普通教育においては,生がいにわたって転移,応用のできる基礎学力の修得が目標であるならば,各教科とも,中学校の学習の成果を客観的に評価し,そのうえで,分化精選した内容を,整然とした順序性のもとに,高等学校教材として確立する必要があろう。この場合,各教科科目の内容には,専門的知識,すなわち座学による学者だけでなく,社会に出てからの学習に役立つ体験的学習を含める必要があろう。

4) 履修ガイダンスのあり方の改善

今後の高等学校において早急に改善をはからないものの一つに履修ガイダンスの徹底的実践があろう。その有効化をはかるため,ガイダンスの実施を常時継続的なものと集中的なものとで構造化する必要があろう。更に,ガイダンスの教科活動,生徒指導,教育相談,進路指導間の関係を有機的なものにすることによって,生徒の能力・個性,進路に応じた教育課程の運用を援助することか可能になろう。

5) 教師の研修の不足の改善

教師は,教職について以後,その指導力の充実は,その個人の責任と自覚にゆだねられることが多く,換言すれば,出発の姿のまま,ゴールを迎えることすら許されているともいえる。

その意味では,10年ごとに研修を義務づけることも一方策であろう。しかし,ここで,注意すべきことは,単なる専門知識の伝達講習的研修のみではなく,生徒の能力・適性,進路等の具体的診断,治療等の研修を伴うことが,現下の困難な状況に対応できる教師を育てることに有効であろう。

以上,高等学校教育の問題点と,その改善のための意見の概要を記した。その詳細については,本文に,具体的に記述されている。


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