OHPの活用とTP制作の手びき-004/152page
ことができる。
このようにOHPが,明るい教室で使用できることは
・資料操作がしやすい。
・板書や他の資料の併用ができる,またノートに記録することもできる。
・教師は,学習者の活動状況や表情をはっきり観察することができる。
・準備にあまり時間がかからない。
など,ふだんの授業の中に,自然な姿でとり入れることができる利点がある。特性2 学習者と向かい合ったままで資料の提示ができる
OHPは,使用者の頭上を越えて後方に映像が投映されるので,教師は,学習者と向かい合ったままで資料の投映ができる。そのために,
・教師は,資料の提示をしながら,学習者の反応を観察したり,確認したりできる。
・学習者の思考や理解の状況に合わせて提示のしかたをコントロールすることができる。
・教師と学習者が顔を合わせているので,互いに内面的なつながりを緊密にすることができる。
など,心の通った授業を展開することができる。特性3 教卓の近くにおいて使用できる
OHPは,映画フイルムやスライドフイルムにくらべて資料サイズが大きく,近距離からの投映でも大きな映像が得られる。そのために,教卓のすぐ近くに置いて使用できるので,教師の行動範囲がせまくてすみ,能率的である。黒板の使用や掛図の使用,教卓上の他の資料の併用なども容易である。
特性4 スクリーン以外の面にも投映できる
映像が明るいので,明るい単色のかべの面や黒板への投映も可能である。スクリーン設備のない教室や地区懇談会などでスクリーンの準備が困難な場所でも,投映場所を容易に工夫することができる。
黒板投映では,色彩映像が不鮮明になる。また,正確な形態を必要とする投映には不向きであるが,板書との併用で,学習者の考えを引き出し思考を練りあげるにはたいへん効果的である。特性5 色彩投映ができる
OHPは,テレビとは異なり,資料を透過した光を直接投映する。そのために,透明資料であれば,色彩はそのまま映像として投映できる。
色彩映像は,学習者の注意力を高めたり興味や関心をもたせたりするだけでなく,学習者の思考を助けたり学習事項の整理を容易にし,定着をよくするなどさまざまな利点がある。(TPの特性の項参照)特性6 資料操作が容易にできる
OHPは,資料ステージが水平であり,資料はその上に置くだけでよい。しかも,ステージは広くその上の空間も広いので,ステージ上での資料の操作が極めて簡単である。この特性が,合成分解法,記入消去法,全体部分提示法,移動法などOHPだけにしかできないさまざまな,効果的な資料提示法を可能にしている。
これまで,製図の指導や図形作図の指導の際,黒板上でいくつかの定規を同時に持ち,たいへ