OHPの活用とTP制作の手びき-005/152page

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ん苦労して演示したのであるが,OHPでは,ステージ上で小さな定規を用い,いくつでも同時に使用し,簡単に演示することもできる。

特性7 さまざまな資料を投映することができる

 OHPの専用資料であるTPにかぎらず,透明なセルロイド定規や分度器類,それに電球のように外側が透明ガラスでできている器物などの投影もできる。シャーレ中の水中小動物(メダカやアメンボウなど)や藻類の観察にも使用できる。最近は,OHP用のために,透明の計算尺や機構模型,実験観察用の小道具も市販されている。
 OHPでは,ソロバンのように不透明なものでもシルエットの投映で効果をあげている例もある。

特性8 資料の自作が容易にできる

 OHP用の資料は,市販されているものも多い。また,身のまわりの小物をそのまま利用できることも多いが自作も容易である。そのために,学習者の能力に応じた資料を自作して用い,学級の実態に応じた学習指導の改善にOHPが役立っている点が大きい。とくに最近は,TP作成機の普及により,学習者のノートをその場でTP化し,投映することができるようになり,学習者ひとりひとりの考え方を生かした学習指導が容易にできるようになった。

特性9 だれにでも,簡単に気安く使用できる

 OHPは,内部構造が単純であるために,大きさの割合には重量が軽く運搬が容易である。機械操作もランプとファンの点滅操作と,ピントの調整だけという簡単なものである。また,故障もたいへん少ない。したがって機械は苦手だと自称する教師はもちろん,小学生でも気安く使用することができる。

特性10 利用にアイデアを生かすことができる

 投映機構が単純であることは,逆に多様な使い方を可能にしている。資料の提示方法が多様化しているだけでなく,本来の目的以外の使い方もいろいろとくふうされている。例えば,OHPを横にして化学実験を投映したり,スライド映写機や透視台としても利用されている。このような資料提示の方法や利用のしかたは,OHPを考案するときに考えられていたことではなく,使用する者がつぎつぎに生み出したアイデアなのである。
 OHPの利用のしかたは,これからもさらに工夫されるであろうし,そのことによってOHPはますます身近かな教具となり,教授活動には欠くことのできないものとなるであろう。

(2)TPの特性

 OHPによって投映提示される教材や資料にはいろいろあるが,その代表的なものがTP(TRANSPARENCYの略称,くわしくは用語の解説参照のこと)である。
 そこで,OHPを利用する際,(1)で述べたOHPの特性とともにTPの特性を十分理解し,その特性を生かして用いることがたいせつである。

特性1 自作が容易である映画フイルムやスライドフイルムを作るには,かなり専門的な技術が必要である。ところが,


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