OHPの活用とTP制作の手びき-007/152page

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 一度つくられたTPが保存されて,何回も使用できるということは,単に教師の資料製作労力が軽減されるというだけではなく,あとで授業を反省する際にも,また,既習事項を復習する必要が生じた場合にも役に立つ。また,協同で教材分析を行う場合や授業過程の点検を行う場合にも保存されているTPが,有効な資料になることは,いうまでもない。

特性7 整理・保管・持ち運びが便利である

 TPは,前にのべたようにうすいシートである。それに重ねてもいたまない。また,形も大きさも同じようなものであるから,整理したり,保管したりするのに便利である。また軽いので,持ち運びも容易である。

2.OHPをよりよく利用するにはどのようなことに留意すればよいか

 OHPは前にもふれたように,取り扱いが容易であることに大きな利点がある。それでだれにでも抵抗なく簡単に利用できる。
 しかし,OHP(機械)について全く知識を持たないで使うよりは,それぞれの部分の機能をよく理解して使う方が,児童・生徒に与える影響や効果の面でだいぶ異なると思われる。
 ここでは,OHPをよりよく活用するために必要なOHPのしくみについての簡単な解説やOHP取り扱い上の注意,利用上の留意点などについて述べる。

(1)OHPの構造と取り扱い上の注意

 1)OHPの構造としくみ
 ア OHPの構造

OHPの構造は,図1のように,光源部,ヘッド部,冷却装置,付属装置によってできている。
 光源ランプから出た光は,凹面鏡によって上方へ無駄なく照らされる。それを集光レンズによってヘッド部に集められる。そのとき光はステージ上の資料を通過して映像をもった光となる。
 その光はヘッド部の平面鏡によってスクリーン方向に反射され,投映レンズによって拡大されてスクリーン上に投映される。
 なおヘッド部を上下させることによって,スクリーン上の映像のピントを調整する。
 光源ランプは高温になるので,そのままでは膨張して破裂してしまう。それを防ぐために点燈中は必ずファンを回して冷却しなければならない。また,ランプの熱が集光レンズを変形させたりするのを防ぐために防熱ガラスによって熱をしゃ断している。
図1 0HPの構造 ・光源部
a.光源ランプ
b.凹面鏡
c.防熱ガラス
d.集光レンズ
e.ステージガラス

・ヘッド部
f.投映レンズ
g.光路屈折用平面鏡
h.ヘッド支柱

・冷却装置
i.ファン

・付属装置
j.ロール装置

図1 0HPの構造

 イ 集光レンズ
 OHPの集光レンズには,フレネルレンズが用いられている。フレネルレンズはフランスの物理学者フレネルが灯台の投光用レンズとして開発したものである。
 普通のレンズは,図2のAの厚みをもっていても,光を屈折する働きをするのはレンズの表面の部分だけである。そこで,表面の部分だけをBの厚さに切り取り,横にならべたと同


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