OHPの活用とTP制作の手びき-009/152page

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である。焦点距離は短かいほど拡大率は大きくなる。ステージの小さい170型は210mm前後のものが多く250型は300〜350mmである。

 2)OHP取り扱い上の留意点
 OHPは,取り扱いの簡単な機器であるが,次の点に注意する必要がある。
 ア 使用前に必ず点燈テストをする。
 授業が始まって使おうとしてスイッチを入れたら,ランプが切れていたり,ヒューズが切れていたりして使用できなかった例もある。授業前に機器セットが終ったら点灯テストをしておくことが大切である。
 イ ランプ消燈後しばらくしてから冷却ファンを切る。
 ランプを消燈しても,ランプの温度は,すぐには下がらない。しばらく冷却ファンを回しておいて,機内から出る風が冷えてからスイッチを切るようにしなければならない。機種によっては,サーモスタットによってランプ温度が下がると自動的に回路が切れるようになっているものもある。この機種でも,消燈後すぐに電源コードをぬかないように注意する。
 ウ ランプの点燈中はできるだけ振動させないようにする
 OHPランプのフィラメントは,点燈中は軟化して切れやすい状態にあるので,できるだけ振動させないように気をつけなければならない。点燈したままでOHPを移動させることは,極力さけなければならない。
 エ 白熱映写ランプを使用しているOHPは,横倒しにして使用してはいけない。
 白熱映写ランプは,横向きにして使用するとフイラメントが断線するので,このランプを光源にしているOHPは化学実験の投影のような横倒しにして使用してはいけない。
 オ 運搬中の不注意や不完全なセットで機体を落下させないようにする。
 OHPは,使用中に自然におこる故障よりも,不注意による破損の方が多い。両手でしっかり持った運搬や,台の土に安定させた置き方,使用者がコードに足をひっかけないようにするなどの注意が必要である。
 カ ランプ交換は素手で行わない。
 電球のガラスに指紋やゴミが付着しているまま点燈すると,高温のためガラス面に焼き付いて管球面を不透明にする。なお,ガラス面に汗がっくと他の部分との温度差によって電球が破裂することもある。また,点燈中に断線した場合,それを交換するため,直接素手で触れて火傷することもある。

(2)OHPとスクリーンの正しい設置

 OHPの使用にあたっては,ゆがみのない映像か,鮮明な映像か,見やすい大きさの映像か,見やすい高さの映像かなど,つねに学習者の立場に立って,映像を吟味していかなければならない。正しい映像を得るためには,OHPやスクリーンを設置する際に,次の点を配慮する必要がある。
 1)OHPとスクリーンの設置場所
 OHPを設置する場所は,次の点に配慮して決める。

・学習者とスクリーンの間に障害物がなく,また,教師の説明を聞きながら自然に見られるようにする。
・スクリーンに,直接日光がさし込んだり,電燈の真下で直接照らすような場所をさけ,映像が鮮明に写る場所に設置する。
・OHPは,教師が操作しやすいように,教卓の近くに設置する。


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