OHPの活用とTP制作の手びき-011/152page

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い。また,正面からは正しい形に見えても,横の位置から見た場合には,ゆがんで見にくくなる。
 このようなことから,学習者は,スクリーンに対して,図の斜線の位置にいることがのぞましい。

 4)スクリーンの選定
 スクリーンには,次の種類がある。

スクリーン 反射式 拡散性 白色スクリーン 白ビニール,白布,白色塗装等
指向性 ビーズデーライト 光学レンズガラスの粉末を接着したもの
    レンティキューラー スクリーン表面にレンズ状の凸凹面をつけたもの
透過式 指向性 白色ガラス,ビニール等

 デーライトスクリーンとよばれるものの多くは上記の指向性スクリーンを指している。つまり,ガラスの粉末を張りつけたもの,または表面にレンズ状の凸凹を型押ししたものである。これらはスクリーンの正面にだけ特に反射光が集まるように作られており,プロジェクターの他から入る邪魔な光を視聴者の方へ反射しないように考慮されている。したがって,スクリーンの映写軸を中心とした中央部からみる輝度は極めて高く,スクリーン面を横の方からみると著しく暗く見える。ところで,OHPは多方面からスクリーン面をみることになるので,このような指向性の強いスクリーンでは不適当である。むしろ白布のように乱反射によって広角度に光を拡散し反射するものの方がよい。
 また,大きさも100cm2,120cm2,150cm2,180cm2などあるが,使用する場所に合わせて図5から,次の式で求められる。

 スクリーン幅>最後列までの距離(cm)/6

 たとえば,普通教室の場合は,後方まで9mであるから,次の計算から150cm以上の

 スクリーン幅>900/6=150

 大きさのものであることが望ましい。

(3)OHP利用上の問題点

 OHPの授業への活用は,単に教師にとって便利であるというだけではなく,学習者を積極的に活動させ,定着率を高めている。しかし,OHPは,万能機器ではないので,その限界をよく理解して,他の教育機器との併用を工夫して学習効率を高めるようにしていかなければならない。
 一方,OHPを用いた資料提示は,効果が大きいものであるだけに,あやまった使い方をすると逆に学習を阻害する危険性をもっている。利用する場合は,学習者の立場に立って,よく吟味し,十分に配慮して使用しなければならない。
 1)OHPの機能上の問題点
 ア OHP(TP)は,動態としてまとまった内容を表現することは,困難である。
 映画やTVは,動きのある映像の連続によって,あるまとまりをもった内容を伝えることができる。しかし,OHPは,偏光シートによる流動TPや,移動TP,模型など,部分的な動きは可能であるが,映画やTVのように全体を動態として表わすことはできない。 イ OHPは,不透明な材料による教材や資料の提示にはむかない。
 実物投映機は,カラーの絵はがきを投映すれば,美しい絵がそのまま拡大投映される。し


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