OHPの活用とTP制作の手びき-013/152page
く考えた色彩の用い方をしないと,最も大事なことから注意がそれ,教師が意図している内容は握がされないでしまうことがある。
ウ 教師から学習者への一方通行にならないようにする。
OHPの板書代りの使用は,板書時間のロスがはぶける。同じTPでいくつものクラスの指導ができる。板書はその都度消してしまわなければならないが,TPは,いつまでも残しておけるなど,いくつもの利点がある。しかし,学習者の考えを引き出しながら,1字1字書きながらまとめていく板書と異なり,教師の準備していたことを一方的に伝える結果に,なりやすい。
エ 提示過多や,情報過多にならないようにする。
OHPを用いた資料の提示は簡便であるために,ともすれば,長時間連続的に使われる傾向がある。こうした傾向は,目に悪いばかりでなく,視覚教材にかたよった学習になり,教材・教具を最適に用いた学習からかけ離れてしまう。またTPは,教材内容をよく吟味し,圧縮整理したものが多く,1枚のTPの中にもかなり多くの情報がもり込まれやすい。
このようなTPが次々と提示されると,学習者の理解や思考の速度と一致しなくなる危険性をもっている。(4)OHPとTPの管理
OHPやTPに限らず,一般備品管理にも当てはまることであるが,次のようなことに心がけたいものである。
・よい機材を十分なだけ備えること。
・利用しやすい管理運営システムにすること。
・いつでも使えるように整備しておくこと。1)OHPの管理
ア OHPの選び方最近は,どのメーカーも数多くの機種を出している。したがって,OHPの選定に当たっては,各メーカーのそれぞれの機種について検討して選定しなければならない。また,OHPの故障も皆無ではないから,その際にサービスが保障される販売業者であることも大切な要件である。
OHP選定の要件 { 性能的要件 1.画面は明るいか(明るさ,むら,色) 2.映像は明りょうか(解像力,むら) 3.拡大率は適当か 機能的要件 1.ステージ面積は適当か 2.温度上昇を防げるか 3.じょうぶで長もちするか 4.仰角は満足できるか 5.どのようなアダプターの使用ができるか 6.騒音や振動が少ないか 7.操作はしやすいか 8.持ち運びが便利であるか