OHPの活用とTP制作の手びき-027/152page
市販TPの活用のところで「TP内容を消化し,自分のものにして利用する」ことを述べたが,そのような技術や能力はTP教材を自作する過程を経ることによってのみ体得できる。そこでTP教材の自作を試み,活用を重ねたうえで市販TPを利用することが望ましい。
2)TP自作のための手順
TPの自作にあたっては,その手順も,児童生徒の意見を即座にTPシートに記入していく方法と,提示すべき内容を記入しておく方法とでは異なる。
一般に資料TP等の作成では,TP自作の意義でもふれたように作成の過程がたいせつであり,よいTPを作るには次のような手順が考えられる。
1.指導内容を分析する。 指導過程のどこで,どんなTPを,どのように提示するかを明確にしなければ意味がない。その裏づけとなるのが指導内容の分析であり,教材研究である。 ↓
2.TP化の必要性・可能性を検討し,テーマを決定する。 指導のねらいを達成させるためにはどんな情報を与えればよいか検討しなければならない。そしてその方法はTPによるべきか,他の方法がよいか,TPも市販TPは活用できないか,自作が可能かなど慎重に検討し,必然性のある内容を選んでTP製作のテーマを決定する。 ↓
3.資料・情報を収集し,TP内容を決定する。 TPの要求する情報を含む資料を,図書・文献等から抽出したり,自ら考案したりして集め,その内容を精選し,焦点化する。 ↓
4.表現方法を考える 絵,図,表,語句,文案をどうするか考える。このとき色彩効果や提示法についても考慮する。 ↓
5.割り付け(レイアウト)を考える。 内容をどう配置するのかを考える。このとき,図や表の大きさ,文字の大きさについてじゅう分配慮する。 ↓
6.完成図を下がきする。 5に従って下絵を作成する。その際合成分解法などを利用するときは合成の順序に合わせて色分けするなどの配慮をする。 ↓