OHPの活用とTP制作の手びき-057/152page
や代表的な文化遺産を中心に理解させることにある。
一方,高学年の社会認識は,低次ではあるが抽象的,論理的な思考に基づくようになる。そこで,「昔」を抽象的な時間的距離としては握させるとともに,歴史的事象の成立原因とその影響について具体的にとらえさせる必要がある。
それには,年表の活用が効果的であり,年表のTP化によっていっそう効果が期待できよう。
TP 活用のしかた・留意点 ・ロールシート ◎聖徳太子の理想を受けついで,中大兄皇子や中臣鎌足が行った大化の改新のおもな内容を明らかにし,天皇を中心とする政治のしくみが整えられていったことを皇子の業績を通して理解させる。 ○大化の改新を学習するねらいを確認させる。(導入にあたって,大化の改新が,いつ頃行われたのか,今から何年前のことなのか,どんなことがあった後のことなのか,どんなことがあった前のことなのか,時間的距離を明確にとらえさせる。)
・絵入り略年表を書いたロールシートを現代から大化の改新まで投影し,位置を確認する。・略年表は,指導内容の中心となる人物や文化遺産の絵を書き入れ,10年を1cm間隔とする。
・絵には彩色をほどこし,年代ごとに区別するのもよい。○大化の改新と聖徳太子の関係をロールシートを参考に考えさせる。
○この学習でわかった主なことをロールシートに書きこむ。○大化の改新から現代までのロールシートを投影し,時間的距離を確認させる。
(4)因果関係をは握させる例(中学校,歴史的分野)
単元 鎌倉幕府の政治(北条氏の政治) TPのねらい 中学生になると,大部分の生徒が抽象的・論理的に考察できるようになる。歴的分野においては,因果思考をさせることが大切である。この単元のねらいは,源平の戦いの後,鎌倉幕府によって武家政治が始まり,次第に武家社会が発展していったことや武士の生活と鎌倉文化の特色を理解させることにある。北条氏の政治では,承久の変を経て執権政治が確立し,幕府が全国政権へ成長した