教師のための統計入門-008/233page

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きい場合を考えます。例えば,ある地方の中学3年男子の中から,3万人の生徒を任意に抽出して身長を測定し,ヒストグラムを作る場合に,階級の幅を小さくとって(例えば1mm),ヒストグラムから折れ線をつくりますと,この折れ線は,大体なめらかな曲線とみなすことができます。

(図6)

(図6)

縦軸に度数(相対度数)を目盛ったとき,この曲線を,度数分布曲線(相対度数分布曲線)といいます。

また,度数や相対度数のかわりに,縦軸に新しく相対度数の密度を目盛って考えますと,この曲線と横軸とで囲まれた全面積は,相対度数の総和を表しますから1となり,図の斜線部分の面積は,身長がacmからbcmまでの生徒の相対度数を表します。

この場合,与えられた3万人の身長の測定値は標本ですが,その数が極めて大ですから,区間acmからbcmにおける相対度数は,母集団(その地方の3年生男子の身長の測定値全体)における相対度数(割合,確率)とほぼ等しいと見ることができます。

このように,データの数を大にして,ヒストグラムからなめらかな曲線y=f(x)を考え,この曲線の性質を調べることに'よって,逆に母集団の特徴を明らかにすることができます。このとき,この関数y=f(x)のことを,この例では,その地方の中学3年男子の身長の確率密度関数といい,このなめらかな曲線を,確率密度曲線といいます。

確率密度曲線は,縦軸に相対度数の密度を目盛った場合の,相対度数折れ線の極限の形とみることができます。

さて,度数分布曲線,相対度数分布曲線,確率密度曲線は,単なる縦軸の目


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