教師のための統計入門-038/233page
5%の位置にあることがはっきりとわかります。
(例7) ある地域の中学3年生に行ったテストの結果,B君の成績は下表の通りであったとします。
科目 数学 英語 B君の得点 82 75 地域の平均点 55 50 地域の標準偏差 17 12
B君は,全体の中で,どちらの科目の成績が良かったか考えてみましょう。ただし,この場合,数学,英語どちらの科目の得点分布も,正規分布をするものとします。
この答えは,次のようになります。
○ 数学の得点は、平均点から標準偏差の82-55/17≒1.59(倍) }(イ)
○ 英語の得点は、平均点から標準偏差の75-50/12≒2.08(倍) }〃
それぞれずれていることがわかります。
そして,どちらの得点分布も正規分布をしますから,付表2正規分布表より,数学の成績は,上位からおよそ
0.5-0.44=0.06
すなわち,6%の位置にあり,英語の成績は,上位からおよそ
0.5-0.48=0.02
すなわち,2%の位置にあることがわかります。
したがって,全体の中では,B君は,英語の成績の方が,数学の成績よりも良かった,ということになります。
要するに,どちらの得点分布も正規分布をするときには,イ)で求めた数値の大きい方が,全体の中で,成積が上位であることがわかります。
ところで,イ)は,データのある値が(この場合はB君の得点),平均値から標準偏差の何倍ずれているかを示す数値で,これを規準値または標準値といいます。そして,もとの値から規準値(標準値)を求めることを,データを規準化(標準化)する,といいます。
(データのある値)-(平均値)/(標準偏差)=(その値の規準値)