教師のための統計入門-041/233page

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集団から取り出した値ということになり,正確に比較可能になります。すなわち,各規準値から,正規分布表(注3)によって全体の中での位置が正確にわかり,その結果,規準値の大きい方が上位の位置にあることがわかります。

(注1) 両科目の得点が,正規分布をしないときには,規準値は全体の中での相対的な位置を示しませんから,A君の数学の規準値と英語の規準値の大小を比べて,その結果大きい方が良い成績である,などとは,とてもいうことができません。

例えば,ともに平均値が 0 ,ともに標準偏差が 1 の二つの規準値集団の分布の例として,次のような図をあげることができます。

二つの規準値集団の分布の例

この図から,同一の規準値集団からの二つの規準値については,大きい方が上位の成績であることは,もちろんわかりますが,異なる基準値集団から,それぞれ取り出した2つの規準値の大小を比べて,その大小によって,全体の中での位置をうんぬんすることはできないのがおわかりになるでしょう。すなわち,図で,二つの規準値 a,b については,同じ規準値集団1の中では, b の方が成績上位であることがわかりますが, a を規準値集団2での規準値,bを規準値集団1での規準値としますと,斜線部分の面積(確率,割合)から,全体の中では a の方が成績上位ということになります。

(注2) これについては,p144問9をごらんください。

(注3) 平均値が 0 ,標準偏差が 1 の正規分布を,標準正規分布といいます。付表2正規分布表は,標準正規分布によって作られたものです。(p179問27


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