教師のための統計入門-042/233page
参照)
なお,正規分布表の k の値は,規準値の大きさを示すものです。
さて,(チェビェシェフの定理)によれば,どんなデータにおいても,平均値からのずれが,標準偏差の5倍以内に入るものは,全体の 1−1/52=24/25(=96%) 以上ある,というわけですから,ほとんどの値は,区間 (-X−5σ,-X+5σ) 内におさまってしまうと考えられます。
したがって,データを規準化しますと,規準値の平均値は 0 ,標準偏差は 1 でしたから,ほとんどの規準値は,区間 (-5,5) 内におさまることになります。
ところで,テストの得点を規準化して, -5 から 5 までの値になおしてみても,それらの値では得点のイメージがはっきりしない,などの理由から,規準値はこのままで用いられることは少なく,ふつう規準値集団を,平均値が 50, 標準偏差が 10 の数値集団に変換して用いることにしています。
その変換式は,
y−50/10=X−-X/σ……1)
で,これは X に, X の規準値と同じ規準値を持つ y を対応させたものです。ただし, y は,平均値が50,標準偏差が10の集団に属する値です。
ふつう,1)は,次のように変形して用います。
y=(X−-X/σ)×10+5
このyが,偏差値といわれるものです。
(例7) のA君の得点をそれぞれ偏差値で表してみますと,
数字の偏差値:y=(82−55/17)×10+50≒66
英語の偏差値:y=(75−50/12)×10+50≒71
(電) 82−55÷17×10+50=,75−50÷12×10+50=
となります。