教師のための統計入門-044/233page
さて,得点 X が正規分布をするときには,P43の変換 1)によって,偏差値 y の集団は,平均値が50,標準偏差が 10 の正規分布をすることがわかります。
(P144問9参照)
したがって,このとき,偏差値は,全体の中での相対的な位置を明示します。
例えば,偏差値 80 の規準値は, 80−50/10=3 ですから,付表2正規分布表より,全体の中で,上位から(0.5−0.499=0.001=)0.1%の位置にあることがわかります。
(ここで,正規分布表のkの値は,基準値の大きさを示します。)
同様にして,偏差値75の規準値は, 75−50/10=2.5 ですから,表より,全体の中で,上位から(0.5−0.494=0.006=)0.6%の位置にあることがわかります。
また,偏差値35の規準値は,35−50/10=-1.5ですから,表の値から (0.5−0.433=0.067=)6.7%
と正規分布の対称性を利用して,全体の中で,下位から6.7%の位置にあり,上位からは, (0.5+0.433=0.933または,
1.0−.067=0.933=)93.3%-
このようにして,得点が正規分布をする場合には,偏差値から,全体の中での相対的な位置を知ることができます。
下の表は,得点が正規分布をする場合の偏差値を5点きざみにとり,それに対する全体の中での相対的な位置を求めてまとめたものです。
偏差値 偏差値の
規準値上位からの
相対的位置80 3.0 0.1% 75 2.5 0.6 70 2.0 2.3 65 1.5 6.7 60 1.0 15.9 55 0.5 30.8 50 0.0 50.0 45 -0.5 69.2 40 -1.0 84.1 35 -1.5 93.3 30 -2.0 97.7 25 -2.5 99.4 20 -3.0 99.9