教師のための統計入門-047/233page
すでに,P42でも計算しましたが,例えば,
-X=60.3,σ=15.2のとき,
得点 X が73点ならば,その偏差値 y は
y=(73−60.3)/15.2×10+50≒58
となります。しかし,いくら電卓があるからといって,偏差値を1点きざみで計算していたのでは大変です。(ただし,大型電卓があれば極めて楽です。)
そこで,ここでは,1mm方眼のグラフ用紙を用いて,簡単に偏差値を求める方法について,説明します。
下図で,横軸には得点 X, 縦軸には偏差値 y をとります。
この用紙に,上の直線1)を書けばよいわけです。
ところで,直線は2点が決まりますと書けますから,ここでは,この直線1)上の2点を求めて書くことにします。
○ 1)式で, X が平均値 X の値をとるとき,その偏差値 y は,
それで,この用紙に,点(60.3,50)をとります。(∴X=60.3)
○ 次に,1)式で, X が X+2σの値をとるとき,その偏差値 y は,
ここで X+2σ=60.3+2×15.2=90.7
それで,この用紙に,点(90.7,70)をとります。
○ この2点を結ぶ直線をひきますと,これが得点を偏差値に変換する直線 1)です。