教師のための統計入門-048/233page

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この図から, X=45 に対する偏差値yは,ほぼ 40 と読みとることができます。このようにして,この図から,得点 30 のときはいくら, 31 のときはいくら,……と読みとり,偏差値換算表をつくればよいわけです。

なお,この場合,偏差値は四捨五入して,整数値で読んでおきます。

また,前ページで説明した2番目の点のとり方ですが,これは,次のようにしても良いでしょう。

1)で, X=-X+σのとき, y=60, すなわち, X=60.3+15.2=75.5 のとき y=60 ですから,点(75.5,60)をとり,1番目に求めた点と結びます。

前ページで, X=-X+2σととったのは,実は,1番目の点と少し離れた点をとって,直線をひこうというわけでした。

10. T得点

いま,あるテストで,5教科の得点の分布が,いずれも正規分布からずれている場合について考えますと,この場合,各教科で,得点を偏差値に変換したとしても,それらは全体の中での相対的な位置を示さなかったので,成績の相互比較は不可能でした。

このような場合に,この5教科の得点をそろえて,比較可能にする方法の一つに,T得点があります。T得点は次のようにして求めます。

1. まず,平均値が 50, 標準偏差が 10 の正規分布を,基準分布として決めておきます。

2. 得点の分布と,基準分布の同じ割合をしめる点を対応させます。

例えば,得点の分布の下からα% の位置を示す点に対して,基準分布の下からα% の位置を示す点Tを対応させ,その得点をTとします。


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