教師のための統計入門-056/233page

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これに対して,この袋の中からカードを1枚ひくごとにその番号を記録し,それをもとにもどして,またよくかきまぜて1枚ひく,このような操作を1600回くり返して,カードの番号と同番号の生徒を抽出する方法もあります。このような抽出の方法を復元抽出法といいます。復元抽出法では,当然同じ生徒が二度以上当たることも考えられます。その場合には,その生徒が抽出された回数と同じ数だけ,その生徒の同じ測定値を提出します。

(方法3) この方法は,乱数表を用いて標本を抽出しようというものです。

乱数とは,

○ どの数字も同じ確率で出現している。(等確率性または等出現性)

○ どの数字も無規則に出現している。(無規則性)の二つの性質を持った数の列で,これを表にしたものが乱数表です。(付表1)

手順1) 何らかの方法で,この一年生男子に1番から15,013番までの番号をつけておきます。

手順2) 乱数表を5桁ずつ区切って読み,その5桁の乱数が15,013以下のものを当り番号とし,その番号と同じ番号の生徒を抽出します。

このように説明しますと,簡単なようですが,実はそうではありません。この手順2)について,もう少しくわしく説明します。

○ まず,乱数表を開く場合に,何ページを開くかを決めなければなりません。例えば,パッとめくった乱数表の上に鉛筆を落として,それが3に当たったら3ページを選びます。乱数表が4ページしかないのに7の数字に当たったら,次に4以下の数字が現れるまで読みとばして,初めて4以下の数字に出合ったら(0ページはありませんから,0も読みとばします),その数字のページを開くことにします。これを,読みとばし方式ということにします。

読みとばし方式

この読みとばし方式のほかに,余り方式というのがあります。それは,7を4で割りますと,余りが3ですから,3ページを選ぶ,という方式です。この場合,乱数表の1,5が当たれば1ページ,2,6が当たれば2ページ,3,7が当たれば3ページ,4,8が当


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