教師のための統計入門-058/233page
これを読みとばし方式で,15,013以下の数字を求めていくことにしますと,76595読みとばし,次の71651も読みとばし,05130は抽出決定,次の28439は読みとばし,………ということになり,これでは1,600人の抽出は不可能に近いでしょう。
それで,次には,余り方式で抽出を考えることにします。
100000÷15013=6.66…
15013×6=90078
ですから,00000と90079以上の5桁の数字は読みとばして,
76595,71651,05130,28439,15676,………
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
1530,11599, 5130,13426, 663
このようにして,1,600人を抽出します。読みとばし方式よりは,いくらかましな感じもしますが,割った余りを計算しなければなりませんので,なかなか大変です。(注1 p65参照)
抽出する数が少ないときは,この乱数表による抽出も良いのですが,この例のように,抽出数が1,600にもなりますと,この方法では抽出が非常に因難になってしまいます。
なお,この例の場合に,5つの色わけした乱数サイ(正二十面体の向い合った面には,0から9までの同じ数字をつけたサイコロ)を振って,例えば赤の数字は万の位,青の数字は千の位,黄の数字は百の位,緑の数字は十の位,白の数字は1の位と決めておき,出た数字を並べて5桁の数とする方法もありますが,この原理は,乱数表を用いるのと全く同じものです。
以上説明しました(方法1)〜(方法3)による抽出法が,単純任意抽出法,略して,単に,任意抽出法といわれるものでした。
抽出教が多いときには,単純任意抽出法は困難でやっかいでした。それで,次には,この抽出法の便法ともいうべき抽出法について説明することにします。
(方法4) いま,15,013人から,1,600人を選ぶわけですから,
15013÷1600=9.38…
つまり,9.38人にっき1人を抽出すればよいことになります。9.38は小数点