教師のための統計入門-059/233page
がついていますから,これに最も近い小さな整数9をとって,9人にっき1人を抽出することを考えます。
このとき,この9を,抽出間隔(インターバル)といいます。次に,1〜9の数字の中から,乱数表によって1つの数字を選びます。この数字をスタートナンバーといいます。この例で,スタートナンバーが6と決まったとします。このとき,1番から15013番まで番号づけられた生徒の中から,まず6番を抽出し,これを出発点として,以下間隔9ごとの番号を抽出します。これを図で
(15013÷9=1668.11…… 1668×9=15012)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 ↑ 10 11 12 13 14 15 16 17 18 1668 15004 15005 15006 15007 15008 15009 15010 15011 15012 ↓ 15013
示しますと,上の図のように,数字を並べたとき,番号6の属する数字のグループが抽出されたことになります。
この場合,抽出数1600人のところ,1668人が抽出されてしまったのですが,これで特に不都合のないときには,このまま,大きさ1668の標本として用いればよいでしょうし,ちょうど1600にしたいときには,この1668人の中から,68人を乱数表によってぬきだし,除くようにします。
この(方法4)は,系統的抽出法または等間隔抽出法といわれ,実用上よく用いられます。この方法の利点は,抽出の作業がきわめて簡単であることで,この例のように,抽出数が多いときには,この方法によらなければ,抽出作業は不可能に近いでしょう。
なお,この抽出法を用いる場合には,次のことに注意して用いるようにします。それは,母集団の要素が,ある一定の規則のもとに並んでいないことを確かめてから,この方法で抽出する,ということです。そうでないと,もしも,抽出間隔と,母集団の要素の規則的な配列の周期とが一致しているような場合には,得られた標本は,みな同じような性質を持った片寄ったものになってしまうことがあるからです。