教師のための統計入門-060/233page
しかし,母集団が大きくて,複雑な場合には,このような規則的配列はまずないものと考えてよいので,ふつうは,単純任意抽出法と同じように考えて用いています。
(方法5) 系統的抽出法では,母集団の要素の配列に周期のある場合が問題になりました。それで,このような系統的抽出法の短所を補う方法として考えだされたのが,ジグザグ抽出法です。この抽出法は,系統的抽出法の変形で,番号をジグザグに並べるところだけが,系統的抽出法と異なるところです。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 18 17 16 15 14 13 12 11 10 19 20 21 22 23 24 25 26 27 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
系統的抽出法,ジグザグ抽出法は,単純任意抽出法の便法として,実用上最もよく用いられます。
単純任意抽出とその便法,系統的抽出法,ジグザグ抽出法の三つの抽出法を以後は,単に任意抽出法ということがあります。
なお,実際に,15,013人から1,600人を抽出する場合には,各中学校ごとに,9人に1人の割合で,任意抽出すればよいでしょう。
4. 層化一段抽出法
次ページ上の表は,昭和53年度の福島県の中学1年男子15,013人を,地区別に表したものです。これは,15,013人の生徒を,7つの地区に層化(層別ともいいます。)したものと見ることができます。
この表の右はしの欄には各層(この場合は7つの地区)に,その層の生徒数に比例した割合で,1,600人を配分した場合の数がのせてあります。すなわち,
1600×3589/15013≒382
1600×3873/15013≒412,……,1600×2535/15013≒270