教師のための統計入門-061/233page

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このように,各層の大きさに比例して標本数を割り当てる方法を,比例割当法または比例抽出法といいます。
地区 生徒数 (相対度数) 抽出数1600人に
対する比例割当数
県北 3589 23.9 382
県中 3873 25.7 412
県南 1059 7.1 114
会津 2132 14.2 227
南会 340 2.3 37
相双 1485 9.9 158
いわき 2535 16.9 270
15013 100.0 1600

この表から,県北地区では,3589人の中から382人

県中地区では,3873人の中から412人

いわき地区では,2535人の中から270人

を,それぞれ任意抽出すればよいことがわかります。

このような抽出法を,比例割当法による層化一段抽出法といいます。

層化とは,この例のように,母集団をいくつかの副母集団に分割することをいうのですが,ここで大切なことは,調査事項に対して,各副母集団内の要素は,できるだけ等質となるように母集団を分割するということです。

例えば,調査事項がスポーツテストの結果などの場合,この例のように,地区による層化はあまり有効とはいえないかも知れません。

このような場合には,都市部,農山村部A,農山村部B(へき地)などに層化することが考えられます。

なお,比例割当法による層化一段抽出法では,標本平均値から母平均を推定する際の精度は,任意抽出法の場合よりも良いことが知られています。

5. 二段抽出法と層化二段抽出法

下の(表10)は,県北地区の中学1年男子3589人を,特A地区,A地区,B地区,C地区の4つの層に分けた

地区 特A A B C
生徒数 757 1551 1108 173 3589
比例割当数 81 165 118 18 382

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