教師のための統計入門-065/233page
体を標本とする抽出法ということもできます。
(注1) 乱数表を用いて抽出する場合,一度抽出された同じ数字がでてきたら,読みとばして重複をさける抽出の仕方は,非復元抽出です。
同じ数字がでてきたら,でてきただけ何度でも抽出するのは,復元抽出を行ったことになります。
なお,母集団が極めて大のときは,復元抽出,非復元抽出の違いは無視できます。くわしくは,p163問22をごらんください。また,実用上は,非復元抽出の方がよく用いられます。
(注2) 層化一段抽出法,集落抽出法,二段抽出法,層化二段抽出法などによって抽出された標本から計算される母平均の不偏推定値を求める式は,それぞれ異なり,単純任意抽出法の場合の不偏推定値(相加平均)を求める式とも,それぞれ異なっています。したがってまた,母平均の不偏推定値の分散は,単純任意抽出法でのその式よりも,更に複雑な式で与えられています。くわしくは,p171問23や参考書17,18,19をごらんください。
(注3) 蛇足になりますが,統計学で用いる標本抽出法は(有意抽出法に対する)任意抽出法です。任意抽出法では,母集団に属するどの要素も,標本として選ばれる確率はみな等しいので,事後の処理に確率の理論が適用でき,客観性のある結果を導くことができます。