教師のための統計入門-067/233page

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次に,この(定理1)について説明しますが,面どうだと思われる方は,,読みとばして,例題をごらんください。以下,この場合に限らず,例題をお読みいただくだけで,計算の仕方がわかるように説明してあります。

さて,いま,大きさがNの母集団から,大きさがnの標本の抽出を考えるのですが,この場合,Nはnに比べて,はるかに大であるものとします。そうでないと,標本抽出の意味がありませんから。

ところで,大きさがnのすべての標本は,復元抽出の場合はNn組,非復元抽出の場合は,N(N−1)…(N−n+1)組考えられるわけですが,どちらの場合も,一組一組の標本に対して,それぞれ標本平均値を計算しておきますと,その平均値たちの分布は,nが大のとき,ほぼ,平均値がm,標準偏差がσ/√nの正規分布をなすというのです。(ここでは,P35〜36のσが,σ/√nとなる)

したがって,いま,手もとにある一組の任意標本から計算した標本平均値王は,95%の確率で,区間 (m−1.96σ/√n, m+1.96σ/√n) に含まれますから,次の不等式が成り立ちます。

m−1.96σ/√n < -X < m+1.96σ/√n

この不等式を m について解くと,

-X−1.96σ/√n < m < -X+1.96σ/√n

このとき,区間 (-X−1.96σ/√n, -X+1.96σ/√n)

のことを,母平均 m の,信頼度95% の信頼区間といいます。この意味は,この区間が,母平均 m を含む確率は95% である,というものですが,これを,信頼度95% で,母平均 m は, -X−1.96σ/√n と -X+1.96σ/√n との間にある,ともいいます。

信頼区間

同様にして,母平均 m の信頼度99% の信頼区間は,

(-X−2.58σ/√n , -X+2.58σ/√n)

と表すことができ,信頼度99% で,母平均mは, -X−2.58σ/√n と -X+2.85σ/√n との


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