教師のための統計入門-068/233page

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間にある,といいます。

ところで,すでにおわかりのように,この信頼区間の式には,σが用いられています。母標準偏差の値が既知のときは,もちろん,これらの信頼区間σを計算して用いてよいのですが,ふつう,σの値は未知です。したがって,これらの信頼区間は計算できないことになります。

それで,とくに標本数nが大のとき,目安として100以上のときに,母標準偏差σのところに,標本標準偏差sを代用することにしています。これは,経験的に,nが大のとき,目安として100以上のとき,σとsとは,実用上は,そう困るほどの差はない,ということから考えだされた便法なのです。

以上のことをまとめておきますと,次のようになります。

〔1〕 母集団分布不明,母標準偏差未知,nが100以上のとき,

1. 母平均mの,信頼度95%の信頼区間は,
母平均mの,信頼度95%の信頼区間

2. 母平均mの,信頼度99%の信頼区間は,
母平均mの,信頼度99%の信頼区間

さて,(定理1)の内容が近似的であり,これを根拠に導かれた信頼区間において,さらにσをsで近似しているわけですから,〔1〕の内容はさらに近似的なものです。(しかし,実用上は十分間に合う。)したがって,信頼度が95%のとき,1.96の代りに2,信頼度が99%のとき,2,58の代りに3,というように,安全と計算の便を考えて,それぞれ,少し大きな整数値を用いる場合が多いようです。

そういうわけで,〔1〕を用いる場合には,小数点以下何桁といった細かい数


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