教師のための統計入門-071/233page
図より,
1)の場合の成績は,信頼度95% で,県なみの成績,国の成績より劣る。
2)の場合の成績は,信頼度95% で,県なみ,国なみの成績。
3)の場合の成績は,信頼度95% で,県より優れているが,国なみの成績。
4)の場合の成績は,信頼度95% で,県はもちろん,国の成績よりも優れていることがわかります。
(2) 小標本の場合の母平均の区間推定(正規母集団で母標準偏差未知)
母平均が m の正規母集団から抽出した大きさ n の標本の平均値を -X, 標準偏差を S として,大きさ n のあらゆる標本について, t=(-X−m) √n−1/S を計算しますと,この値の全体は,自由度 (n−1) の t 分布(正規分布に似た左右対称の分布)をします。ここでは,このことを用いて, m の区間推定を行います。
ここで,自由度が (n−1) の t 分布をする,の意味の説明は,難かしいのですが,おおよそ次のようになります。
もともと, t 分布を表す式は,自然数 n によって定まり,この n のことを t 分布の自由度といいます。
さて,標本の n 個の数値は,そのまま n 個の変数のとる値と考えられるわけですが,実際は,この n 個の変数はある条件にしばられているために,自由に変りうる度合いが一つ減って (n−1) 個となり,大きさが n の標本から計算した t の分布を数学を使って導くと,自由度を示す自然数が, (n−1) となっている t 分布(自由度が n−1 の t 分布)の式が,導かれるというのです。
さて,この場合の母平均の推定は,結局,次の〔2〕によって行います。
〔2〕母集団が正規分布,母標準偏差未知のとき
1 母平均 m の,信頼度95% の信頼区間は,