教師のための統計入門-072/233page
2 母平均mの,信頼度99%の信頼区間は,
〔2〕で用いた記号 t( n−1, 0.05) の意味を,下図を用いて説明しますと,これは,自由度が ( n−1) の t 分布の,両端合わせた確率(面積) 0.05(5%) の上側境界値,見方をかえれば,中央部の確率 (面積) 0.95(95%) の上側境界値を意味します。
同様にして, t ( n−1, 0.01) は,自由度が ( n−1) の t 分布の,両端合わせた確率(面積) 0.01(1%) の上側境界値,見方をかえれば,中央部の確率(面積) 0.99(99%)の上側境界値を意味します。
また,このような境界値を,(その確率を示す)パーセント点(%点)ともいいます。
付表3の t 分布表は,自由度と,それに対す t 分布の両端合わせた確率 0.1(10%), 0.05(5%), 0.02(2%), 0.01(1%) の上側境界値を表にしたものです。なお,t分布は左右対称の分布ですから,下側の値は,符号が異なるだけです。
付表3から,自由度が30のときの5%点は,2.042,自由度が13のときの1%点は3.012であることが,読み取れます。
次に,〔2〕を用いて,例題を解きます。
(例10) ある中学校で一年生に数学のテストを行ったところ,任意に抽出された22名の生徒の成績は,平均点 -X=52.3, 標準偏差 s=15.6 であった。このことから,一年生全体の平均点を,信頼度95%で区間推定せよ。