教師のための統計入門-075/233page
p は未知ですから,上の区間は計算できません。それで, n が大のとき,√pq のかわりに√pq を代用して,〔3〕の信頼区間を作ったのです。
なお,このことに関連して,p151問15をごらんください。
さて,以上のことからおわかりのように,〔3〕の信頼区間は近似的なものです。n が大であればあるほど精度は良いわけなのですが,それでは,どのくらい大であればよいか,という問に対する理論的な解答はないようです。本によっては,実用上は, n≧30, n-p≧5, n-q≧5, を満たす n であれば近似的に用いることができると書いてある本もあります。
〔3〕の1,2 の信頼区間も,(1)の場合と同じように,安全を考えて, 1.96 のかわりに 2, 2.58 のかわりに 3 を用いることがあります。
(例11) 下の表は,県下の小学校6年生から,1623人を任意抽出して行った算数のテストの結果の一部である。
小問 正答率% 1 67.3 2 56.8
(問) 小問1,2について,県下の6年生全体の正答率を,信頼度95% で,区間推定せよ。
(解) n=1623,小間1:n-p=1623×0.673 >20,
小問2:n-p=1623×0.568 >20
よって,〔3〕によって,区間推定を行うことができます。
○ 小問1について,信頼度95% の信頼区間は,(-q=1−-Pとして)
よって,母集団の正答率は,信頼度95% で,65.0% と69.6% との間にある。
○ 小問2について,信頼度95%の信頼区間は,