教師のための統計入門-079/233page
2. 母平均の差の検定と母比率の差の検定
ここでは,二つの母集団から,それぞれ任意抽出した標本の平均値や標準偏差などを手がかりにして,二つの母集団の平均値に,差があるかどうかを検定する方法について説明します。
(1) 大標本の場合の母平均の差の検定
(母集団分布ともに不明,母標準偏差ともに未知)
この場合の検定は,次の(定理2)を根拠にします。
(定理2) 平均値が m, 標準偏差がσ1 の母集団 A1 から任意抽出した大きさ n1 の標本の平均値を -X1,標準偏差を S1 とし,平均値が m2, 標準偏差がσの母集団 A2 から任意抽出した大きさ n2 の標本の平均値を -X2, 標準偏差を S2 すれば, n1, n2 がともに大のとき,
は,ほぼ,平均値が0,標準偏差が1の正規分布をする。
この定理の意味するところを,下に図示します。