教師のための統計入門-087/233page

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(例13)

これを,(m1-m2)について解いて,

(例13)

もとの二つの母集団 A1, A2 が正規分布をなし,σ12 が既知の場合は,この不等式を用いて,信頼度95% の母平均の差の区間推定を行えばよいわけですが,一般には母集団の分布が不明,σ12 も未知な場合がふつうです。それで,このような場合には,n1, n2 をともに大,目安として100以上にとりますと,上の不等式(イ)のσ12 の代わりに,標本標準偏差 s1, s2 を代用しても,そう困るほどの差がないことが,経験的にわかっていますので,

(例13)

とし,二つの母平均の差 m1−m2 の信頼度95%の信頼区間として,

信頼度95%の信頼区間

を用いることができます。

ここで,すでにお気づきになっていると思いますが,次のことを注意しておきます。それは,95% の確率で信用できる,ということと,信用できない確率が5% ある,ということとは,うらはらの関係で,その意味内容は全く同じということです。

したがって,信頼度95% と,危険率5%とは,どちらを表だてて使うかによって使い分けられているだけで,その意味内容は全く同じことなのです。すなわち,区間推定の場合には,信頼度を表だてて用い,検定の場合には,危険率(有意水準)を表だてて用いる習慣になっています。

さて,話をもとにもどしまして,〔4〕による母平均の差の検定で |z| ≧1.96 となり,危険率5% で有意差あり,となったとします。そうしますと,

〔4〕による母平均の差の検定の結果


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