教師のための統計入門-088/233page
以上のことをまとめますと,〔4〕による母平均の差の検定の結果,有意差あり,と判-x1 > -x2 のとき m1 > m2 : -x1 < -x2 のとき m1 < m2
と判定してよい,ということになります。
以上は,危険率5%,信頼度95% の例で説明したわけですが,危険率1%,信頼度99% の場合も全く同じです。
(例13)の場合には,危険率5%で有意差があり,このことと,母平均の差の区間推定の結果と合わせることによって, -x1 < -x2 ですから, m1 < m2 ということができます。すなわち,昭和51年度には,成績の向上が見られた,ということになります。
このように,両側検定の結果,有意差ありとなった場合には,区間推定の結果を適用して,標本の値から,母数(母平均,母分散など)の大小関係を判定することができます。
(2) 小標本の場合の母平均の差の検定
(母集団がともに正規分布,母標準偏差ともに未知)
この場合の検定は,次の(定理3),(定理4)を根拠にします。
平均値が, m1,標準偏差がσ1 の正規母集団 A1 から任意抽出した大きさ n1、の標本の平均値を -X1,標準偏差を S1 とし,平均値が m2, 標準偏差が