教師のための統計入門-096/233page
もしも, t の値が,縦軸の左側にあれば、t分布の対称性を利用して,結局
t1= t (n1+n2−2,α) の値とくらべればよいことになります。
以上述べたことから,t検定の際は,|t|の値を求めて,これと,危険率αの上側境界値とを比較すればよいことがわかります。
以下に,この検定の手順をまとめます。
〔6〕 母平均の差の検定 母集団がともに正規分布,
1. 仮説 H0 : m1=m2 を立てる
対立仮説 H1 : m1≠m2
2.
を計算する。(p121 参照)
3. 危険率をαとし, t分布表より, t (n1+n2−2,α)を求める。
4. (1) |t| ≧ t (n1+n2−2,α) ならば,危険率αで有意差ありという。仮説 H0 を棄却し, H1 を採択する。
(2) |t| < 1 (n1+n2−2,α) ならば,危険率αで有意差なしという。H0 は棄却しない。それでは,〔6〕を用いて,例題を解きましょう。
(例15) (例14)において,A1, A2 地域の平均値に差があるか。ただし,テストの結果はともに正規分布をするものとし,危検率5%で検定せよ。
標本数n 平均値-x 標準偏差s A1地域 42 49.1 8.6 A2地域 40 50.7 8.1