教師のための統計入門-097/233page
(解) (例14)によって,等分散であることが認められていますから,
1. 仮説 H0:m1=m2 を立てます。対立仮説は H1:m1≠m2
2. |t| の値を求めます。
(電) MC8.6×=×42(M+)8.1×=×40(M+)MR×82÷80÷42÷40=√MC(M+)1.6÷MR=
3. t分布表より,自由度 n1+n2−2=42+40−2=80
危険率5%の棄却域の上側境界値を求めるのですが,自由度80の値は表にはないので,これに最も近くて小さい自由度60のときの上側境界値 t (60,0.05)=2.00で代用します。
t (80,0.05)=2.00
4. |t| =0.86, t (80,0.05)=2.00
∴|t| < t (80,0.05)
よって,危険率5% で,有意差なし。
二つの母平均に差があるとはいえない。
3) ウェルチの方法による母平均の差の検定 (母集団がともに正規分布,)
等分散の検定の結果,二つの母分散に,差が認められたときには,2)の t検定の前提が成立していませんので,これによる検定はできません。この場合,分散に差があるというのは,すでに二つの母集団は質的に異なっていると見るべきであるから,母平均の差を検定してみても仕方がないではないか,という見方もあるようです。