教師のための統計入門-098/233page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

しかし,ここでは,そういう見方も一応頭に入れておいて,近似検定としては比較的よいといわれる(ウェルチの方法)によって,二つの母平均の差の検定を行うことにします。

この検定の手順を以下に示します。

〔6〕' ウェルチの方法による母平均の差の検定

母集団がともに正規分布,母集団

1. 仮説 H0:m1=m2 を立てる

対立仮説 M1:m1≠m2
2. tの値を計算する

3. 危険率をαとする。
この場合の自由度fは,自由度fとして,自由度f

fは整数値でないことが多いがその場合には,その計算値に最も近くて小さい整数値をとる。これを f0 とする。t分布表より t ( f0 ,α)を求める。

4.(1) |t| ≧ ( f0 ,α)ならば,危険率αで有意差あり,という。

仮説 H0 を棄却し, H1 を採択する。

(2) |t| < t ( f0 ,α)

ならば危険率αで有意差なし,という。

仮説 H0 は棄却しない。

(例16) 二つの地域 A1, A2 の小学校6年生から,それぞれ任意標本を抽出して,算数のテストの結果を調べたところ,左の表のようになった。 A1, A2 地域の平均値には差があるか。テスト

  標本数n 平均値-x 標準偏差-s
A1地域 38 63.0 4.1
A2地域 34 57.6 7.4

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。