教師のための統計入門-111/233page

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6. よって,危険率5% で,仮説 H0 は棄却しない。すなわち,この標本は,正規母集団からの任意標本といいうる。

(正規母集団からの任意標本といいうるほどこの標本は,正規分布に適合している。)

(注5) この場合の自由度8-3=5の意味について説明します。

この場合,最終的に,階級の数は8と決まりましたが,この8つの階級に属する度数をそれぞれ, f1, f2,…,f8 としますと,これらは変数ですが,次の3つの条件にしばられています。

f1 +f2+…+f8=454

1/454 {14.5 f1+24.5 f2+…+90 f8}=54.4 (と考える)

1/454 {(14.5-54.5)2 f1+(24.5-54.5)2 f2+…+(90-54.5)2 f8=15.7(と考える)

そうしますと,等式が3つありますから,8つの変数のうち,3つは,他の5つの変数によって表されることになり,結局自由に選べるのは, f1,f 2,…,f8 のうちの5つだけになってしまいます。

この場合,自由な値をとりうる変数の数5が,この X2 分布の自由度というわけです。

(2) 独立性の検定

この検定は,与えられた標本を手がかりにして,母集団の2つの性質A,Bが独立であるかどうかを検定するものです。

この検定は,次の(定理7)を根拠にします。

(定理7) 2つの性質 A,B を持つ母集団から(表ハ)(これをκ×l 分割表といいます)のような大きさが n の標本が得られたとき仮説 H0 :「2つの性質 A,B は独立である」のもとに計算された理論度数(期待度数)が,(表ニ)のようになったとすると,観察度数,


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