教師のための統計入門-116/233page
50以上はほしいと書いてある本もありますし, a, b, c, d はどれも10以上にした方がよいと書いてある本もあります。(p101 注参照)
それでは,次の例題を,母比率の差の検定と X2 検定の両方で解くことにします。
(例23) 次の表は,N市のK小学校で,インフルエンザの予防注射を受けた,受けない,と,インフルエンザにかかった,かからなかったの結果について調べたものである。
インフルエンザに
かからなかったインフルエンザ
にかかった計 予防注射を
受けた495 r1 67 n1 562 予防注射を
受けなかった310 r2 71 n2 381 計 805 138 943
このK小学校の児童943名を,N市の全小学生(母集団)の任意標本とみて,予防注射が有効であったかどうかを検定せよ。
(解) 1) 大標本の場合の母比率の差の検定をする。
予防注射を受けたもののうち,インフルエンザにかかったものの母比率を P1 とし,標本比率を -P1 としますと, -P1 =67/562
予防注射を受けなかったもののうち,インフルエンザにかかったものの母比率を P2 とし,標本比率を -P2 としますと, -P2 =71/381
1. 帰無仮説 H0 : P1=P2 とします。
対立仮説は P1≠ P2 です。
2. 仮説 H0 : P1=P2 のもとで,インフルエンザにかかったものの推定値