教師のための統計入門-118/233page
4. よって,危険率1%で,仮説 H0 を棄却する。
ゆえに,予防注射を受けた,受けない,と,インフルエンザにかからなかった,かかった,とは無関係ではない。
すなわち,表から,予防注射を受けた方がインフルエンザにかかった割合が少ない(67/562<71/381)ことから,この予防注射は有効であった,と判定します。
(例24) 下の表は,昭和50年と昭和53年に,本県6年生から任意抽出した児童に対して実施した算数のテストの1小問の結果である。
年度によって,正答率に差があるといってよいか。
正・誤/年度 50 53 計 正答者 606 620 1226 誤答者 357 394 751 計 963 1014 1977
(解)1) 大標本の場合の母比率の差の検定をする。
50年度の母集団の正答率を P1, 標本の正答率を -P1 とすると
-P1 =606/963(=0.63) 53年度の母集団の正答率を P2, 標本の正答率を -P2 とすると -P2 =620/1014(=0.61)
仮説 H0 :P1 = P2 を立てます。この仮説のもとでの全体の正答率の推定値は,
(電) 分子:MC606÷963(M+) 620÷1014(M-)MR(0.017843646)
分母:1226×751÷1977÷963÷1014=√(0.021838849)
|z| < 1.96(ヒトクロー)
よって,危険率5%で,仮説 H0 を棄却しない。すなわち,両年度の正答率に差はない。
2) X2 検定(独立性の検定)をする。
仮説 H0:「年度と正答率とは無関係である。」(年度によって正答率に差はな