教師のための統計入門-125/233page

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それで,これらの値を,それぞれおのおのの標準偏差で割って規準化した値 x−-x/sx を横, y−-y/sy を縦とする長方形の面積の平均値をもって相関の度合いを示す値と決め,これを r で表すことにしています。この r のことを,変量 X と Y との相関係数(ピアソンの相関係数)といい次の式で定義します。

変量XとYとの相関係数(ピアソンの相関係数)

ここでは,相関係数の意味を,上のように図形的に説明してみました。

ところで,相関係数 r は, -1≦r≦1 の範囲の値をとり(p155問18参照)2つの変量 X,Y の相関の度合いは, r の値によって,次のように判定されます。

r 判定 r 判定
0.7〜1.0 正の強い相関がある -1.0〜-0.7 負の強い相関がある
0.4〜0.7 正のかなりの相関がある -0.7〜-0.4 負のかなりの相関がある
0.2〜0.4 正の弱い相関がある -0.4〜-0.2 負の弱い相関がある
0〜0.2 ほとんど相関がない -0.2〜 0 ほとんど相関がない

なお, r=1 のときは,正の完全相関がある,といい,このとき,各点は,完全に1つの右上りの直線の上にあります。

また, r=-1 のときは,負の完全相関がある,といい,このとき,各点は,完全に1つの右下りの直線の上にあります。

相関係数 r が 1 または -1 に近い値をとるときは,相関図上の点は1つの直線のまわりに密集していることを意味します。また,この値が 0 に近いときには,二つの変量 X と Y との間には,直線関係が認められない,ということを意味しますが,それはそのまま, X と Y とが無関係であることを意味するものではありません。例えば,下図では, X と Y の相関係数は 0 に近いでしょうが,

X と Y との間には,曲線関係のあることは確実です。

相関係数

つまり,相関係数は,直線傾向の度合いを示す1つの値にすぎないのです。それで,相関係


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