教師のための統計入門-124/233page
い相関など,その相関の度合いを何で測ったらよいでしょうか。次には,このことについて考えていきます。
上図で,点P から,直線 x= -x, y=-yに下しした垂線の足をそれぞれB,Aとするとき,長方形PBOAを,点Pのもつ長方形ということにします。さて,
○点P が,(1)の範囲にあれば,x−-x > 0、y−-y > 0 ですから,(x−-x)(y−-y)>0, すなわち.点P のもつ長方形の面積は正になります。
○点Pが,(2)の範囲にあれば, x−-x<0, y−-y>0ですから
(x−-x)(y−-y)<0, すなわち,点P のもつ長方形の面積は負になります。
○点Pが,(3)の範囲にあれば, x−-x<0, y−-y<0 ですから
(x−-x)(y−-y)>0, すなわち,点P のもつ長方形の面積は正になります。
○点Pが,(4)の範囲にあれば,x−-x>0, y−-y<0 ですから
(x−-x)(y−-y)<0すなわち,点P のもつ長方形の面積は負になります。
したがって,(1),(3)の範囲に多くの点があり,(2)(4)の範囲に点が少ない場合には,各点のもつ長方形の面積の総和 (xi−-x)(yi−-y)は正となり,その平均値(1点あたりの面積。点の総数を n としますと)
も正になります。
また、(2),(4)の範囲に多くの点があり,(1),(3)の範囲に点が少ない場合には,各点のもつ長方形の面積の総和は負になり,その平均値も負になります。
最後に,各点が(1)〜(4)の範囲に平均して散らばっているときには,得点のもつ長方形の面積の総和は 0 に近い値になり,その平均値も 0 に近くなります。
以上のことから、XとYとの関連の度合いを示す値として,各点のもつ長方形の面積の平均値(xi−-x)(yi−-y)が役立ちそうなことがわかりました。しかし,一般には,(x−-x)(y−-y)とは,測定の基準が異なっていますので,このままでは,関連の度合いを示す値としては不都合です。