教師のための統計入門-130/233page

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たとえば,標本数 n=100,標本相関係数 r=0.28 のときの母相関係数ρの値の信頼度95% の信頼区間は,図から,ほぼ(0.10,0.45)と読み取ることができます。

この図で,標本数 n は,3から400までの間の,とびとびの値しかありませんから,例えば, n=63 などという場合には,63に最も近くて小さいこの図にある n の値50の信頼区間で代用したり,この信頼区間から大体の見当をつけたりすることになります。

2) 母相関係数ρに対する仮説 H0:ρ=0 を検定する場合,すなわち,母集団において変量 X と Y とが,独立である (ρ=0) か,独立でない (ρ≠0) かを検定する場合は, 1)で用いた付図1を使うこともできますが,この本では, n の値をもっと多くとった表を,付表6としてのせてありますので,この表を用いることにします。

例えば,標本数 n=100 のとき,標本相関係数を r としますと,付表6から |r| ≧2.0 ならば,危険率5% で仮説ρ=0 を棄却し,ρ≠0 を採択します。この場合,母集団において2変量 X, Y は独立ではない,と判定します。

|r| < 2.0 ならば,危険率5% で仮説ρ=0 は棄却しない。すなわち,母集団において,2変量 X, Y は独立である,と判定します。

次の表は,昭和52年の福島県のT小学校の5年男子67名の,スポーツテストの結果について,種目間の相関係数を求めて表にしたものです。

このような表を相関行列といい,現在,コンピューターで,比較的簡単に作成することができます。

次の表から,例えば,次のようなことが読み取れます。

○ 50m走の記録は,時間が短かいほど良い。ジグザグドリブルも時間が短かいほど良い。すなわち,これらの2種目は,どちらも小さな数値ほど良いわけです。それで,50m走とジグザグドリブルの記録の間には,正の相関があることが予想されますが,この表によれば,相関係数は0.45とでており,


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