教師のための統計入門-132/233page

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|r| < 0.25 ならば,帰無仮説 H0:ρ=0 は,危険率5%で棄却されません。|r| < 0.25 に該当するのは,50m走と伏臥上体,50m走と立位体前屈,斜懸垂と反復横とびなど,そのほかにも沢山ありますが,これらは,母集団では相関がない,独立である,といってよいことになります。

このことについて,もう少しくわしくこの表を眺めてみますと,運動能力テストの種目間の相関係数については, |r| < 0.25 を満たすものがありません。すなわち,運動能力テストの種目は,お互い何らかの関連のあることがわかります。これに対して,体力診断テストの種目間には,互いに独立と見られるものが多く,これは,診断テストとしての望ましい条件を満たしているということができるでしょう。

また,運動能力テストと体力診断テストの種目間にも,互いに独立と見られるものが多く,これらのテスト種目に,異質なものが多いこともわかります。その他にも,いろいろ検討してみてください。

3. 回帰直線

p122(図15)では,数学と理科の得点の間には,直線的傾向がみられました。このように,2つの変量 X, Y の間には,程度に強弱の差はありますが,全体として直線的傾向を示すものが多くあること,そして,その直線的傾向の度合いは,相関係数によって測られることもすでに説明しました。

そこで,ここでは,この「全体として直線的傾向を示す点」にあてはめた直線の方程式を求めることを考えます。さて,ふつう2変量を対にしたデータの示す点(x,y)は,完全に同一直線上にあるわけではありませんから,これらのすべての点を通るような直線をひくことはできません。

ずれ

それで,各点から直線までの"ずれ"を考えますと,この"ずれ"には,正,負,0の場合がでてきますので,この"ずれ"の二乗の総和


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