教師のための統計入門-147/233page

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らの点がほぼ一直線上にあるときには,データは正規分布をすると判定します。

次に,これらの点にあてはめた直線をひき,これを用いて平均値と標準偏差 s の近似値を求めます。すなわち,縦軸の50% 点に対する横軸の X の値 X50、が平均値の近似値であり,この値と,縦軸の84% 点に対するxの値 X84 との差 X84 −X50 が標準偏差の近似値になります。

正規確率紙は,市販されていますが,あくまで,簡便的,近似的なものですから,そう正確なことは望めませんが,大体の目安をつけるときに利用すると大変便利です。

次の左の表は,ある学年の標準テストの結果です。この分布が正規分布に適合するかどうかを正規確率紙で調べる場合には,この左の表から右の表をつくります。(p52参照)

得点 度数   階級の上限 累積度数 累積相対度数
10〜19 5 19.5 5 1.1
20〜29 19 29.5 24 5.3
30〜39 55 39.5 79 17.4
40〜49 95 49.5 174 38.3
50〜59 104 59.5 278 61.2
60〜69 100 69.5 378 83.2
70〜79 50 79.5 428 94.2
80〜89 23 89.5 451 99.3
90〜100 3 100.5 454 100.0

そして,0点から19.5点までが5人,0点から29.5点までが24人,0点から39.5点までが79人……というように考えることにします。

最後に,正規確率紙上に点(19.5,1.1),(29.5,5.3),(39.5,17,4)……(89.5,99.3)をとり,これらの点が一直線上にあるとみなせるかどうかを調べます。もしも,そうみることができれば,次にはこれらの点に適当に直線をあてはめてひき,平均値 -X や標準偏差 s の近似値を求めます。もしも,これらの点が,一直線上にあるとみなせない場合には,このデータは,正規分布に適合するとはいえないことになります。


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