教師のための統計入門-162/233page

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問21 点双列相関係数とは何ですか。

(答え) これは,2つの変量の一方が0,1という2つの値のみをとる離散変量で,他方が連続変量の場合のピアスンの相関係数のことです。しかし,他方が,得点などの離散変量の場合にも,点双列相関係数ということがあります。この点双列相関係数は,近ごろ,SP表に関連して用いられています。

例  SP表

生徒/問題 1 2 3 j m 合計y
1     0 1     y1
2     1 0     y2
3     0 1     y3
           
i 0 1 1 1 0 yi
         
n     1 0     yn
合計Z Z1 Z2 Z3 Zj Zm  

(イ)              (ロ)
j y       3 j
1 y1 0 1
0 y2 1 0
1 y3 0 1
1 yi 1 1
0 yn 1 0

(ハ)
i 0 1 1 1 0
Z Z1 Z2 Z3 Zj Zm

(イ)で,小問j番の正答誤答と,生徒の正答数合計yとの相関係数は,点双列相関係数で,これはその小間の弁別力を示すものと考えられます。

(ハ)で,i番目の生徒の正答誤答と,小問の正答数合計Zとの相関係数も点双列相関係数で,この値の小さい生徒は,何らかの問題点があり,治療の要がある生徒と考えられます。

また,この点双列相関係数の簡便式もありますが,そう簡便でもありませんので,ピアスンの相関係数の定義式によって計算した方がよいと思います。

なお,(ロ)は,小問3番と小問j番の相関係数を求めるためにつくったものですが,この相関係数は,問20で説明したψ係数です。


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